原理について

バイメタルとは熱膨張率がことなる2枚の金属板を貼り合わせたものです。
バイメタルは、温度変化によって曲がり方が変化する性質があります。

バイメタル式温度計は、この原理を応用してバイメタルを上の図のように「つる巻き状」に成形したものを使用しています。

構造について

取扱いについて

ハウジング(ケース)を掴んでねじ込まない

製品を取り付ける際に、ハウジングをつかんでねじ込んだり位置調整を行ったりすると、示度に狂いが生じ、破損につながります。
製品の取り付け作業は六角部分に工具をかけて行って下さい。

衝撃を与えない

温度計・水高計は精密機器ですので、過度の衝撃が加わることにより、示度に狂いが生じます。
落下や感温部の曲がりにより故障いたしますので、製品のお取扱いには十分ご注意下さい。

保護管について

温風や冷風など被測定物が外に漏れ出しても問題ない場合を除き、保護管を推奨いたします。
被測定物の種類、状態、取付設備の材質等の使用条件を考慮し、最適な保護管を選定して下さい。

尚、以下に示す条件下において必ず保護管のご使用をお願いいたします。

  1. 被測定物により感温部を腐食させる恐れがある場合
  2. 感温部に圧力がかかる場合
  3. 被測定物が流体の場合
  4. 温度計を取り外すと被測定物が漏れ出し、外部に支障をきたす場合

保護管の材質

被測定物により腐食をおこさない材質を選定して下さい。
耐食性が適合していない保護管を選択した場合、破損のおそれがあります。
保護管の材質は設備と同じものを選定願います。

保護管の種類

「非鉄Niメッキ保護管」の使用範囲は感温筒長さ150mmまでです。
150mmを超える場合は、「SUS・チタン溶接保護管」または「クリヌキ保護管」をお選び下さい。

保護管の強度

被測定物の状態や保護管の長さなど、使用条件を正しく把握し、適切な保護管をお選び下さい。
特に被測定物に流れや圧力が発生している場合は注意が必要です。
流れが原因で発生する流動振動に対しては必ず評価を実施して下さい。
参考…(社)日本機械学会発行「JSME S012‐1998配管内円柱構造物の流力振動評価指針

配管取付時の注意点

長すぎる感温部は折損事故の原因となります、
又短すぎる感温部は測定誤差の原因となります。
配管に温度計を取り付ける際には以下の目安を基準として下さい。

  1. 配管内部への感温部突き出し寸法はおおむね50~100mmとする。
  2. 感温部は全体の半分以上が被測定物と接するようにする。

設置について

振動に対する留意

感温部が振動している場合、「指針が小刻みに震える」等の現象が起こります。
この状態を放置しておくと温度計の各部品が摩耗し破損します。
さらには、感温部や保護管が折損、被測定物が外部に漏れ出し、脱落した部品が設備を破損させたりするなど大きな事故の原因となります。
「指針が小刻みに震える」等の現象が確認されたときは放置せず、速やかに製品を設備から取り外し、適切な対策を行って下さい。

周囲温度対策について

周囲の温度と被測定物の温度に差がある場合、周囲温度の影響で測定誤差が生じる場合があります。
そのような現象に対しては図に示す様な方法で設備を保温し、放熱又は吸熱を抑制して下さい。

配管への施工時における保護管の長さについて

バイメタル式温度計の感温部は非測定物に対し50mm~100mm程度、接することを推奨します。
保護管50mmを施工する場合、下記の図の通り配管径を40A以上広げて下さい。

凍結環境で使用になる場合

被測定物の温度が氷点下(摂氏0℃)以下になる場合は、温度計内部の凍結により製品が破損することがあります。
凍結環境で製品を使用になる場合は、屋外仕様の製品を選定されることをお勧めします。
なお、屋外仕様の製品でも内部が凍結してしまう場合もありますので、その様な状況にはシリコンオイル入り仕様をご使用下さい。

ADS75・ATS75・ATS100をご検討・ご使用されるお客様へ

当社製品である屋内用ステンレスケース(ADS75・ATS75・ATS100)をご検討、またはご使用いただきありがとうございます。
上記温度計の風防材質はポリカーボネートです。
一般環境(-5~45℃)でご使用いただく場合は問題はございませんが、周囲温度が200℃以上の場合、風防変形の恐れがございます。
周囲温度には十分ご配慮いただきます様、お願いいたします。

製品の輸出について

安全保障貿易管理に関する注意事項

日本国内の品物やサービス等を外国に持ち出す場合、安全保障貿易管理に関する輸出の許可申請を、経済産業省へ提出する必要がある場合がありますのでご注意下さい。

弊社製品の輸出について

1:リスト規制

当該製品は外国為替及び外国貿易法によって、輸出貿易管理令別表第1の1~15項、及び外国為替令別表1~15項に該当する貨物の輸出、及びこれらに関連する技術の提出(リスト規制)の中に製品、及びその付属品を規制する項目はございません。
(2014年3月現在)

2:キャッチオール規制

本製品は、輸出貿易管理令別表第1の16項に掲げられた貨物に該当します。
所謂(いわゆる)ホワイト国以外の地域に輸出をする場合は、輸出者の方はキャッチオール規制(客観要件及び、インフォーム要件等)を御確認いただき、必要な場合には、輸出許可の申請を行なって下さい。
(2014年3月現在)

該非判定に関する詳細は経済産業省の安全保障貿易管理を御参照願います。

該非判定書発行について

弊社では該非判定書の発行を有償にて対応いたします。
但し、書類作成に際しては、情報開示をお願いしています。

QRコードについて

弊社の温度計・水高計に関しまして、背面に製品の情報をQRコードとして貼付してあります。
弊社へのお問合せに関しましては、QRコードの情報がありますと製品の特定がスムーズに行えますので、スマートフォン、携帯電話等のバーコードリーダからQRコードの読み取りをお願い致します。

読み取りについての注意事項

QRコードの読み取りについては以下の点に注意願います。

  • QRコードが貼付されている製品を出来るだけ平面になるようにし、真上から垂直にかざしてください。
  • 光線の具合によりQRコードが読みにくい場合があります。
  • QRコードやカメラが汚れていると読み込めない場合があります。